代表ブログ 売れる営業への変革「クール営業」

1.売れない製品・サービスとは第三章 売れない製品・サービスの本質

ここでは営業職にとって最も重要な製品・サービスに関して述べていく、そもそもこの製品・サービスを売る事により「お客様・営業・社会」が徳をするのであるから一番大事な部分とも言える。

「売れている」「消費されている」と評される製品・サービスというものは一般的に多いのだろうか、少ないのだろうか、と常々考えさせられる。
テレビコマーシャルや雑誌で宣伝されている製品・サービスは売れていて、さらに売るために広く宣伝するのか。それとも売れないから売るために宣伝するのか。
その疑問を一度友人の電通マンにぶつけてみた、答えは両方だ、とあっさり言われた、全く私が思ったとおりの回答であった。

しかしながら、高額な宣伝費を投入できるのは売れている製品でないと長くは続けられない、ゆえに長く広告として露出している製品・サービスは「売れている」と表現できるらしい。
逆に最初だけ宣伝し、効果が出なく途中で取りやめられる製品・サービスはかなり多く、それらは一般的に売れない製品・サービスと言えるとの事であった。

そういえば、何年か前に「セガ・サターン」という家庭用ゲーム機の宣伝が当時は大々的に放映されていた。
当時の役員まで出演し、非常に奇抜な目立った宣伝を展開していたが、数か月後にはすっかり姿を見せなくなったと思っていたら、結局は業界から撤退していた事を思いだした。

他にも例を出したら切りが無いが、市場において生き残るのはなみ大抵でなく、勿論、時代の流れとともに必ずや、売れなくなってしまうのも悲しい事実である。
最近ではロングテール製品としてヒットは終わったが、継続して売れ続ける製品も話題にのぼってるが、それは革新的な新製品が世に出されていない事の裏付けとも言える。

いずれにしても、世の中では圧倒的に多く、「売れない製品・サービス」を販売している事実がある事を先ずは認識して頂きたい。
とすると結局、売れている製品やサービスを取り扱っている営業は圧倒的に少ない事だけは事実であるとも言えよう。

そういう事からも、世間では売れない営業職が多く、皆、非常に苦労し各社のリストラの一番のターゲットになるのも事実であり、巷に「営業職向けの雑誌やハウ・ツー本が散乱しているのも納得できる。

私の営業経験約30年の中で、いわゆる「売る」対象となった製品・サービスはゆうに100種類を超えるであろう、しかしながら「売れた」製品・サービスと評価できたのは片手で数えられる位である。

それでは何故、販売を開始する事前の企画段階で十分なる市場調査や信頼度の高い販売予測が立てられないのだろうかと思う読者諸兄も多いのでは無いだろうか。私も同じように思う。

例えば、前述した「セガ・サターン」のケースでは当時任天堂のファミリーコンピューターが飛躍的に売れ、世の中の家庭ゲーム市場は間違いなく成長していた、当時の市場調査では間違いなく成長市場でありビジネス判断的には「ゴー」であった。
当時の販売予測もかなり確度は高く、間違いなくヒットの兆しを見せていた、にも関わらず販売が低迷してしまった要素は何だったのか。

諸説あるが任天堂のファミリーコンピューターほどにソフト数が充実していなかったという理由がダントツのようだが、噂的な結論では流通経路の失敗にあったようである。
当時、家庭用ゲーム機のハードウェアを取り扱う販売店や各種拠点は限定されており、それらは既に任天堂の牙城でもあったといえる、ゆえに、各販売店や拠点は任天堂に睨まれると、その後の商談が上手く進まないゆえ、任天堂に気を使ってセガ製品を積極的に取り扱わなかった事が販売低迷の本当の理由だったとの事であるが、これはあくまでも噂である事をお含みおき頂きたい。
とは言っても、事前のマーケティングレベルでは問題無くとも、その後の営業戦略や戦術が十分で無いと、やはり「売れない」事実はあるのである。

それでは、何故簡単に「売れる」「ヒットする」と予想してしまうケースが多いのだろう。そこに大きな課題があるように思える。
誰しも、「これは絶対売れない。」「これは世間に受けいれられないだろう。」と思って売り出す人々はいないだろう。
確かに、全く売れるとは思って無かったのに、こんなに売れるとは、という話も耳にはする事もあるが、これは例外として見ておいた方が良さそうである。

世の中の製品やサービスで綿密なマーケットリサーチを繰り返し、その仮説に基づき製品やサービスを開発している企業は非常に少なく、大抵は開発者側の自分本意な仮説に基づいて企画開発されてる製品やサービスが大半だと推察する。
後は市場が受け入れる、受け入れないに関係なく、営業力でカバーするといったスタンスの製品やサービスが非常に多いと感じる。
そうなると犠牲者は営業職である。

昔、私が営業をしていた頃、売ると大きな確率でトラブルを引き起こす製品があった、しかしながら営業は売る行為を止める訳にはいかず、トラブルを引き起こさない事を願って営業をかけていた時期もあった。
それと同じで製品やサービスが劣悪でも、市場が受入れなくても、営業職は必ず売らなければならない、となった製品やサービスは何が何でも売る使命が発生するのである。

最近、ブルーオーシャンという言葉を耳にする。要はある市場を例えた表現なのであるが、競合相手が少ないか全く存在しないほぼ独占状態を形成できる市場の事である。反対語としてレッドオーシャンがある。
ずばり、先の例の任天堂は正にブルーオーシャンを見出したお陰で成功し、セガは自らレッドオーシャンに突入してしまったとも言える。

ブルーオーシャンが散在していれば苦労は無いだろうが、モノやサービスが満ち溢れている現代社会において、ブルーオーシャンはそう簡単に見出せないだろう。
製品やサービスはその市場の状況で売上や販売本数が大きく左右する。

極論を言えば営業力で売上や販売数が伸びた例は非常に少なく、あくまでも本質は市場が存在するか、市場の状況がどうなってるか、によりその製品やサービスが売れる、売れないが決定する事は言うまでもない。

ポイント8    製品やサービスは先ずは「売れない」可能性が高い事を
前提に従来まで売れた市場・ユーザー・の特性を十分把握
し、似た環境への提案活動から開始する。


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